ただめしぐらい

食事日記。2010年までは、はてなダイアリーアーカイブのインポート。

ようやく立ち会えました

折しも,「ダブルユー」の「モーニング娘。」からの完全独立の前日…こういう日に,「シャレモニ。」経由で,5月28日の「ジョニー・トッド・トリオ」*1のステージの模様を紹介しているサイトがあるのを知りました。情報ありがとうございました。>id:t0nari
地域CATVで放映されたもののダイジェスト*2のようです。古巣・UFAに配慮してか,明らかに『版権モノ』である『ギュッと抱きしめて』を一部カットしているものの*3,聞き応えもファイル容量も(^^;,ダイジェストとは言えないくらいすごいものでした。
ピアノ・ベース*4,それにドラムキット,というシンプルな構成。学生時代,同期生が居たビッグバンドの演奏は何度か聴き,大変楽しかった覚えがあるんです。が,こういうシンプルな構成の演奏を映像付きで聴くのは初めて。労働争議でトップが更迭される前の,かなりアクの強かった時代のRFラジオ日本や,アニラジに力を入れる前のAM KOBEでは,こういうシンプルなジャズをよく流していて,それをたまに聴いていた程度でした。
ゲストボーカルは,日本人女性がひとりと,ミカちゃん。こういうシンプルなバンドにボーカルだけ,という構成だと,ぱっと聴いただけでは華がないように思えても,ごまかしが効かない緊張感と,その制約の中でどうやって雰囲気を拡げていくか,というのを味わう楽しみがあります。時折,ハロプロでも,歌番組側の意向で(貴重な!)生伴奏での歌唱を聴くことが出来ますが,それに近いと思います。いよいよミカちゃんの登場…と思ったところで,「ダブルスタンバイ!」大宮公演のチケットが届きました。巻き戻して…と思ったら,プレーヤがフリーズ。そういう巡り合わせなんでしょうか(^^;。
プレーヤを再起動して,ミカちゃんパートから再開です。そこにいた彼女は,ハロプロにいた頃とは全く違う方向での力を感じました。日本語ではどうしても声色が高くかすれ目になってしまう彼女。本当の歌唱力を示すには,やはり英語なのだ,と思い知りました。太く,不自然な途切れ方は全くなく,緩急も抑揚も全て織り込んだ彼女の歌唱。ハロプロの中では,どちらかというと,声色においてもキュートさが支持される傾向にある,とぼくは思っています。本当の彼女の声色に,本当の彼女の持ち味に酔いしれたい…と思っても,ハロプロに居る限りは,制約が多過ぎるのは目に見えています。

  • 歌詞はほぼ日本語で,声の持ち味が活かしづらい
  • マーケティング上の方針で,詞・曲の自作は認められない
  • 情熱的に決めたくても,それが叶いそうな本隊=「ココナッツ娘。」には新譜が2年以上ない
  • 音楽から離れたアイドルとしての仕事を求められる
  • さらに,「ミニモニ。」の『奇跡』を受け継いだ者として,よい子のお姉さんとしての仕事も求められる
  • その上,メインを張る機会は全く与えられず,不振の十字架を背負わされる

これだけの制約から放たれて,生き生きと歌う彼女を見て,改めてぼくは次を信じたくなったのです。ハロプロへのアンチテーゼとしてではなく*5。そして,ぼくが一番好きだったのは,ハロプロのアイドルとしての彼女ではなく,彼女の声だったのだ,と,遅まきながら気づいたのです。
どれくらい先になるかわかりませんが,いつか必ず彼女の声が聞ける日が来る。悲壮感ではなく,楽しみに待てるようになれたと思います。や,ほんと生で見たかった…。

*1:というよりは,本家的には『ミカパパのバンド』,といった方が通りがいいのかも知れません。

*2:ジャズという分野自体は,カバーに対する権利関係に対しては非常におおらかだと言われています。が,現代クラシックやポップスに限ると,その辺はかなりデリケートなようです。実際,「大地讃頌」では,作曲家の佐藤眞さんが,ジャズ的な慣習でカバーアルバムを出したジャズマンに対して,「アレンジは一切認めていない!」と怒り,CDの発売中止と演奏禁止を要求。バンド側がそれを呑んだ,という事件が起き,ジャズと現代クラシックの間の深い溝を見せつける結果になりました。

*3:エアチェックで済まされるのを恐れて,プロモーションビデオをフルコーラスでは流したがらない,というのと似たようなものかも知れません。

*4:コントラバスとエレキを適宜使い分けています。

*5:だって,ハロプロハロプロで楽しいもん。制約は承知の上ですからね。